メモ帳
創作バンド中心に、作品未満のネタ置き場。落書きだったり文だったり。
幼児化ログ。
あの人が幼児化したこうなったーにごろごろした結果、妄想が爆ぜました。
続きにぽつぽつ流した小話のログを。
完全にセルフ二次創作なので、苦手な方は閲覧をお控えください。
続きにぽつぽつ流した小話のログを。
完全にセルフ二次創作なので、苦手な方は閲覧をお控えください。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「怜さん、それなんでしょーか」
「かえる」
「せやね……んでなんでそのウシガエル、脚鷲掴みにしとんの」
「おっきいかえる」
「あー……せやねぇおっきいね。ついでに返して来い」
「しーさんかえる嫌い?」
「持って帰っても飼えんし、玲嫌いやろ……おままごとせぇへんの」
「あきた」
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「しじゅる?」
「志鶴」
「……う」
「……志鶴」
「しーさん?」
返した名前は子供には言い辛かったらしい。
何度か繰り返して、見上げてくるのは達成感に満ちた顔。
それに、出かけた溜息を飲み込んで。
「……もうそれでええわ」
「れいちゃん、しーさん!」
誇らしげな弟の頭をかき混ぜる。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
並んだ二つの黒髪に、一瞬口から心臓が出そうになった。
それでも逆算すれば落ち着いていた年代で、だから否定することも出来た。
……出来た、筈だった。
「あー……」
けど、出来なかったのは。
「それ、俺のガキでええです」
――互いに握った手が、見て分かるほど震えていたから。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ベッドには双子の片割れしか転がっていなかった。いないのは寝相が良い筈の姉の方で、落ちた溜息。
「……怜、何しとんの自分」
ご丁寧に毛布を引っ張って、入り込んだのはパイプベッドの下。
引っ張り出して軽く揺すれば、うっすらと黒が開く。
「……しーさん?」
「何でベッドの下で寝てんの。風邪引くやろ」
小さな掌が、まだ眠たそうに両目をこする。
「……しーさん寝るところ、ない」
ぽすん。
そんな音と一緒に、胸に落ちてきた小さな顔。
それが紡いだ言葉は――年齢にしては、気を使いすぎている気がした。
「阿呆」
一度も色を抜いていない髪をかき混ぜる。指通りの良い、黒。
ともすれば折ってしまいそうな体を抱いて、布団を被る。すぐに玲が身を寄せてくるのは、寒いからだろうか。
「自分等ちまいんやから平気や、俺抱いて寝たらぬくいしな」
「でも」
「ええこはもう寝る時間やろ」
あやすように背中を叩けば、ゆっくりと落ちる瞼。
そんなことの気にしなくても、と思うが――気にさせてしまうのが俺の至らなさなのだろう。
急造の保護者の荒を見せ付けられた気がして、喉元まで出かけたのは溜息。
けど、それはまた――聡い子供が気に病むだろうから。
「おやすみ、怜」
その音に変えて、瞼を閉じた。
「怜さん、それなんでしょーか」
「かえる」
「せやね……んでなんでそのウシガエル、脚鷲掴みにしとんの」
「おっきいかえる」
「あー……せやねぇおっきいね。ついでに返して来い」
「しーさんかえる嫌い?」
「持って帰っても飼えんし、玲嫌いやろ……おままごとせぇへんの」
「あきた」
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「しじゅる?」
「志鶴」
「……う」
「……志鶴」
「しーさん?」
返した名前は子供には言い辛かったらしい。
何度か繰り返して、見上げてくるのは達成感に満ちた顔。
それに、出かけた溜息を飲み込んで。
「……もうそれでええわ」
「れいちゃん、しーさん!」
誇らしげな弟の頭をかき混ぜる。
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並んだ二つの黒髪に、一瞬口から心臓が出そうになった。
それでも逆算すれば落ち着いていた年代で、だから否定することも出来た。
……出来た、筈だった。
「あー……」
けど、出来なかったのは。
「それ、俺のガキでええです」
――互いに握った手が、見て分かるほど震えていたから。
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ベッドには双子の片割れしか転がっていなかった。いないのは寝相が良い筈の姉の方で、落ちた溜息。
「……怜、何しとんの自分」
ご丁寧に毛布を引っ張って、入り込んだのはパイプベッドの下。
引っ張り出して軽く揺すれば、うっすらと黒が開く。
「……しーさん?」
「何でベッドの下で寝てんの。風邪引くやろ」
小さな掌が、まだ眠たそうに両目をこする。
「……しーさん寝るところ、ない」
ぽすん。
そんな音と一緒に、胸に落ちてきた小さな顔。
それが紡いだ言葉は――年齢にしては、気を使いすぎている気がした。
「阿呆」
一度も色を抜いていない髪をかき混ぜる。指通りの良い、黒。
ともすれば折ってしまいそうな体を抱いて、布団を被る。すぐに玲が身を寄せてくるのは、寒いからだろうか。
「自分等ちまいんやから平気や、俺抱いて寝たらぬくいしな」
「でも」
「ええこはもう寝る時間やろ」
あやすように背中を叩けば、ゆっくりと落ちる瞼。
そんなことの気にしなくても、と思うが――気にさせてしまうのが俺の至らなさなのだろう。
急造の保護者の荒を見せ付けられた気がして、喉元まで出かけたのは溜息。
けど、それはまた――聡い子供が気に病むだろうから。
「おやすみ、怜」
その音に変えて、瞼を閉じた。
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