メモ帳
創作バンド中心に、作品未満のネタ置き場。落書きだったり文だったり。
日常と派生小話。
久し振りにALGONQUINSのブログを見たら色々ツボッたので
四弦にそれっぽいのを着せてみた。
あくまで「それっぽいの」。画力が足りないよ!
巻きスカートなぁ……最近全く着る機会が無いんだけどこれはちょっと欲しい。
続きに下手と四弦の小話をば。
「しーさん、こっち」
ひらひらと手を振ったソイツを見て、見つからん訳がすとんと落ちた。
「……うわ、なんか別嬪さんがおる」
「でしょー」
「いやお前、何やのその格好」
「あ、これ巻きスカートだから」
「裾をたくし上げるな裾を!」
紫のタンクトップと、黒のアームウォーマーは……まだ見たことがある。
けれどもその下、ひらひらと揺れるのはどうみてもスカート。
視線の意味を悟ったのか、ソイツは首を傾げて。
「しーさんだって履いたことあるでしょ?」
「私服じゃ着たこと無いわ……確か」
「確かって」
「人の黒歴史蒸し返すな」
軽く頭を叩けば、大袈裟に声を上げる。
いや、まぁ女形やった時期もあるけど。個人的には黒歴史やけど。
それでもあからさまな女物は……下は着なかったような気がする。
「見たことないんやけど、新しいの?」
「そ。こないだ双生と原宿行った時に買ったの」
「おぉ、ソーセイさんよぉ行ったな」
「半ば無理矢理? まぁあの阿呆もメンズなら着るし、その後国立新美術館行ったし」
「へぇ」
ひょこひょこ、少し低い場所で上下する蜂蜜色。
すれ違う人が何人か振り返るのは、コイツの性別を量りかねたからか。
背はそこそこ高いが綺麗な顔しとるし、こういう格好してても違和感は無い。普段の相方と並べば、コイツのが女の子に見えることもある。
……ただ、それを自分で言うんはどうかと思うけどな。いや昔は俺も似たようなこと言うとったからあんま言えんけど。
「自分等三人並んどったら、下手したら姉妹やなぁ」
「双生と澪と? まぁ俺が一番可愛いんですけどね」
「……うんまぁ、そうなったら自分本気出すやろ」
「当ォ然」
ふふん、と唯は鼻を鳴らす。
だって俺、そこらの女より可愛いもん。
当然の様に口に乗せられるそれにも、大分慣れたが。
「自分そう言うて、彼女やらなんやらと喧嘩にはならんのか」
「俺、僻みって良くないと思うんだよねぇ」
「……平手か拳で済む程度にしとき」
「あははははっ」
「嫌やで、『お宅のベーシスト刺されたんだって?』とか言われんの」
「それ双生にも言われましたよ。けどね、しーさん」
ふふふ、と喉で転がる笑い声。
男らしい部分もろくでもない部分も知っとるが、それだけ見たら完璧にオンナノコの動作。
「女であることに胡坐かいてるそこらの奴等と、仕草から何から気使ってる俺じゃ、どっちが可愛いかは明白でしょ?」
唇に手を当てて、当たり前のように唯は言う。
黒い爪も性別にしては白い肌も、確かにそこらの子よりは綺麗やと思う。
そうして、その為にコイツがしている努力も、ツアー先のホテルやらで目にしてる。
「……あぁ、でも俺、オンナノコになりたい訳ではないよ?」
思い出したかのように、ぽつりと付け加えられた言葉。
それは小さくて、ともすれば喧騒に紛れてしまいそうだった。
「ただ、俺は俺を一番魅力的に見せたいだけ」
困ったような、苦りきったような、そんな笑顔が浮かぶ。
「知っとるよ。自分、ちゃんと男の格好もするし」
「そう。つーかねぇ、女の子がズボン履くなら男もスカート履いていいじゃんねぇ」
「まぁ、似合っとるならええんとちゃう? 流石にゴツい男が履いてるのは勘弁願いたい」
「まぁその点、俺は似合いすぎてるから問題無いんですけど」
そう言った時には、唯はいつもの笑顔を浮かべていた。
だからといって、さっきの笑顔を忘れれる訳でもない。
「確かに可愛ェけど、帰り深夜とかなら気ィ付けんと危ないで」
「え、何俺そんなに可愛い?」
「パッと見分からん。つーかさっき、まだおらんかと思うた」
「ふっは、キてるね俺」
「キとるキとる。唯さん突き詰めすぎやねん」
「だって俺可愛いんだもん」
ふふふ、と喉で笑う、その顔は幼く見える。
一頻り笑って、上機嫌な調子で。
「なんかもうね、世間様の境界ってよく分かんないよね」
「あー……あれか、夢の国での耳付いたカチューシャ的な?」
「近いかなー……俺、雑貨屋でぬいぐるみ買うと絶対『プレゼント用ですか?』って聞かれるもん」
「今度は何買ったん」
「ビーズクッションのウサギに一目惚れしちゃった」
「最近唯さんがリビングにぬいぐるみ放置いてくって、ソーセイさんが漏らしてましたけどー」
「放置じゃなくて置いてるんですー。これ以上ベッドに置いたら俺寝れないし」
お互いに軽口を叩けば、どちらともなく零れる笑い。
男やから寒色。女やから暖色。そういうんは、確かにどうかと思う。
好きなものを好きと言って、それで批判食らうんは結構しんどい。けど。
「そういうんは胸張っとったら何も言われんくなるでー? 大概烏合の衆やもん」
「……しーさんも、言われた?」
「俺の場合は髪色とか、そんなんやったけど」
「え、何色やったの」
「……青、とか? 前の前くらいにちょろっと」
「ちょっと俺それ知らないんだけど、よっぽど初期?」
「つーか自分何処まで知ってんの! 俺そっちのが怖いんやけど」
「バンギャの情報網舐めない方がいいですよ。俺何も言わなくても姉貴から話が」
「うっわ、何それマジ怖い」
楽しそうに、心底楽しそうに唯は笑う。
見かけは変わっても、それは変わらんのやとぼんやり思った。
あぁ、そう言えば。
「最初に会った時俺、自分のこと女やと思うたって、言うたっけ?」
「あー……多分双生から、又聞きで聞いたことある」
「まぁ、そんくらいハマっとるで」
何とはなしにそう言えば、きょとんとした顔が浮かぶ。
それからくく、と喉が震えて。
「当ォ然」
浮かぶのは、自信たっぷりの笑み。
ソーセイさんも唯のこーゆートコ見習ったらええんやけど、中々そうも行かんらしい。
「……あ」
「どうした、唯さんや」
「どうせならしーさんも今度」
「着ぃひんかんな? 絶対着ぃひんかんな? つか自分、俺の前々盤ネタにする癖にそれはどうなん」
「や、こう、赤信号、皆で渡れば怖くない、的な」
「……蜜にも着せる気か」
「まさか、双生。しーさんが着たら着るかなぁ、と」
「えー……流石にこの年でスカートは」
「じゃあ衣装でいい」
「……絶対着ぃひんわ、ボケ」
……訂正、この悪ノリは見習わんでええわ、ホンマ。
ひらひらと手を振ったソイツを見て、見つからん訳がすとんと落ちた。
「……うわ、なんか別嬪さんがおる」
「でしょー」
「いやお前、何やのその格好」
「あ、これ巻きスカートだから」
「裾をたくし上げるな裾を!」
紫のタンクトップと、黒のアームウォーマーは……まだ見たことがある。
けれどもその下、ひらひらと揺れるのはどうみてもスカート。
視線の意味を悟ったのか、ソイツは首を傾げて。
「しーさんだって履いたことあるでしょ?」
「私服じゃ着たこと無いわ……確か」
「確かって」
「人の黒歴史蒸し返すな」
軽く頭を叩けば、大袈裟に声を上げる。
いや、まぁ女形やった時期もあるけど。個人的には黒歴史やけど。
それでもあからさまな女物は……下は着なかったような気がする。
「見たことないんやけど、新しいの?」
「そ。こないだ双生と原宿行った時に買ったの」
「おぉ、ソーセイさんよぉ行ったな」
「半ば無理矢理? まぁあの阿呆もメンズなら着るし、その後国立新美術館行ったし」
「へぇ」
ひょこひょこ、少し低い場所で上下する蜂蜜色。
すれ違う人が何人か振り返るのは、コイツの性別を量りかねたからか。
背はそこそこ高いが綺麗な顔しとるし、こういう格好してても違和感は無い。普段の相方と並べば、コイツのが女の子に見えることもある。
……ただ、それを自分で言うんはどうかと思うけどな。いや昔は俺も似たようなこと言うとったからあんま言えんけど。
「自分等三人並んどったら、下手したら姉妹やなぁ」
「双生と澪と? まぁ俺が一番可愛いんですけどね」
「……うんまぁ、そうなったら自分本気出すやろ」
「当ォ然」
ふふん、と唯は鼻を鳴らす。
だって俺、そこらの女より可愛いもん。
当然の様に口に乗せられるそれにも、大分慣れたが。
「自分そう言うて、彼女やらなんやらと喧嘩にはならんのか」
「俺、僻みって良くないと思うんだよねぇ」
「……平手か拳で済む程度にしとき」
「あははははっ」
「嫌やで、『お宅のベーシスト刺されたんだって?』とか言われんの」
「それ双生にも言われましたよ。けどね、しーさん」
ふふふ、と喉で転がる笑い声。
男らしい部分もろくでもない部分も知っとるが、それだけ見たら完璧にオンナノコの動作。
「女であることに胡坐かいてるそこらの奴等と、仕草から何から気使ってる俺じゃ、どっちが可愛いかは明白でしょ?」
唇に手を当てて、当たり前のように唯は言う。
黒い爪も性別にしては白い肌も、確かにそこらの子よりは綺麗やと思う。
そうして、その為にコイツがしている努力も、ツアー先のホテルやらで目にしてる。
「……あぁ、でも俺、オンナノコになりたい訳ではないよ?」
思い出したかのように、ぽつりと付け加えられた言葉。
それは小さくて、ともすれば喧騒に紛れてしまいそうだった。
「ただ、俺は俺を一番魅力的に見せたいだけ」
困ったような、苦りきったような、そんな笑顔が浮かぶ。
「知っとるよ。自分、ちゃんと男の格好もするし」
「そう。つーかねぇ、女の子がズボン履くなら男もスカート履いていいじゃんねぇ」
「まぁ、似合っとるならええんとちゃう? 流石にゴツい男が履いてるのは勘弁願いたい」
「まぁその点、俺は似合いすぎてるから問題無いんですけど」
そう言った時には、唯はいつもの笑顔を浮かべていた。
だからといって、さっきの笑顔を忘れれる訳でもない。
「確かに可愛ェけど、帰り深夜とかなら気ィ付けんと危ないで」
「え、何俺そんなに可愛い?」
「パッと見分からん。つーかさっき、まだおらんかと思うた」
「ふっは、キてるね俺」
「キとるキとる。唯さん突き詰めすぎやねん」
「だって俺可愛いんだもん」
ふふふ、と喉で笑う、その顔は幼く見える。
一頻り笑って、上機嫌な調子で。
「なんかもうね、世間様の境界ってよく分かんないよね」
「あー……あれか、夢の国での耳付いたカチューシャ的な?」
「近いかなー……俺、雑貨屋でぬいぐるみ買うと絶対『プレゼント用ですか?』って聞かれるもん」
「今度は何買ったん」
「ビーズクッションのウサギに一目惚れしちゃった」
「最近唯さんがリビングにぬいぐるみ放置いてくって、ソーセイさんが漏らしてましたけどー」
「放置じゃなくて置いてるんですー。これ以上ベッドに置いたら俺寝れないし」
お互いに軽口を叩けば、どちらともなく零れる笑い。
男やから寒色。女やから暖色。そういうんは、確かにどうかと思う。
好きなものを好きと言って、それで批判食らうんは結構しんどい。けど。
「そういうんは胸張っとったら何も言われんくなるでー? 大概烏合の衆やもん」
「……しーさんも、言われた?」
「俺の場合は髪色とか、そんなんやったけど」
「え、何色やったの」
「……青、とか? 前の前くらいにちょろっと」
「ちょっと俺それ知らないんだけど、よっぽど初期?」
「つーか自分何処まで知ってんの! 俺そっちのが怖いんやけど」
「バンギャの情報網舐めない方がいいですよ。俺何も言わなくても姉貴から話が」
「うっわ、何それマジ怖い」
楽しそうに、心底楽しそうに唯は笑う。
見かけは変わっても、それは変わらんのやとぼんやり思った。
あぁ、そう言えば。
「最初に会った時俺、自分のこと女やと思うたって、言うたっけ?」
「あー……多分双生から、又聞きで聞いたことある」
「まぁ、そんくらいハマっとるで」
何とはなしにそう言えば、きょとんとした顔が浮かぶ。
それからくく、と喉が震えて。
「当ォ然」
浮かぶのは、自信たっぷりの笑み。
ソーセイさんも唯のこーゆートコ見習ったらええんやけど、中々そうも行かんらしい。
「……あ」
「どうした、唯さんや」
「どうせならしーさんも今度」
「着ぃひんかんな? 絶対着ぃひんかんな? つか自分、俺の前々盤ネタにする癖にそれはどうなん」
「や、こう、赤信号、皆で渡れば怖くない、的な」
「……蜜にも着せる気か」
「まさか、双生。しーさんが着たら着るかなぁ、と」
「えー……流石にこの年でスカートは」
「じゃあ衣装でいい」
「……絶対着ぃひんわ、ボケ」
……訂正、この悪ノリは見習わんでええわ、ホンマ。
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