メモ帳
創作バンド中心に、作品未満のネタ置き場。落書きだったり文だったり。
21g小話:なきわらい
http://shindanmaker.com/122300で出た御題。
最後の共鳴音が消える。
でも、名前を呼ぶ声は消えない。
息を吐いて見遣る、片割れ。向こうも同じように、此方を見ていた。
伸ばされた手は熱くて、たった今終わったんだと改めて思う。
――なんてかおしてんの
――おんなじかおしてるよ
すぐ傍で聞こえる、吐息交じりの掠れた声。
腕に力を込めれば、同じように強くなる。
耳の奥でまだ、シンバルが鳴っている。
けど、それをかき消すくらいの声が聞こえる。
――おつかれ
――うん
嬉しい、楽しい、やりきった。
そんな単語が浮かんで消える。多分、この感情を言葉でなんか表すことは出来ない。
悲しくは、ない。悲しい筈が無い。
それでも、目尻から零れる潮を抑えられない。

熱いくらいの照明と、煩いくらいの歓声と。
それから、向こうからやってくるメンバーと。
そんなものに、胸が熱くなる。
耳元で聞こえた笑い交じりの「お疲れ様」。
それに答えるように、腕にもう少しだけ、力を込めた。
<なきわらい>
でも、名前を呼ぶ声は消えない。
息を吐いて見遣る、片割れ。向こうも同じように、此方を見ていた。
伸ばされた手は熱くて、たった今終わったんだと改めて思う。
――なんてかおしてんの
――おんなじかおしてるよ
すぐ傍で聞こえる、吐息交じりの掠れた声。
腕に力を込めれば、同じように強くなる。
耳の奥でまだ、シンバルが鳴っている。
けど、それをかき消すくらいの声が聞こえる。
――おつかれ
――うん
嬉しい、楽しい、やりきった。
そんな単語が浮かんで消える。多分、この感情を言葉でなんか表すことは出来ない。
悲しくは、ない。悲しい筈が無い。
それでも、目尻から零れる潮を抑えられない。

熱いくらいの照明と、煩いくらいの歓声と。
それから、向こうからやってくるメンバーと。
そんなものに、胸が熱くなる。
耳元で聞こえた笑い交じりの「お疲れ様」。
それに答えるように、腕にもう少しだけ、力を込めた。
<なきわらい>
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