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テロまとめ。そのよん。

Twitterでやらかした140文字テロのログそのよん。
【】は「【オリ盤】でお題しようぜ」様からお借りした御題です。
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「……やべ、みっちゃんいねぇ」
 すぐ後ろに居た長身は、いつの間にか居なくなっていた。
 人混みの向こう、半分出た頭。
 困惑気味のそれは、俺の隣で深く息を吐く。
「……なんで昼間だんずこった人居るんずや」
「東京だからでしょ」
 おっかね、と彼は零す。

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「おはぎ食べたい」
 ぽつり、呟いたのは蜜だった。
「あんこの奴。ヤマさん食べたくない?」
「……流石にあんこは煮れないなぁ」
「……いや、買ってきたらええやん」
 思わず突っ込めば、蜜はこてんと首を傾げた。
「お店の美味しくない」
「……さいで」

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 ねぇちゃんは偶に無茶なお金の使い方をする。
 一番が、テーブルの上に積みあがって、塔になった本。
 何冊あるのか、数えるのも嫌になる。
「ねぇちゃん、これ今日買ってきた分?」
「んー」
「……あと何冊?」
「こんくらい。多分、今日中に読み終わる」
 ……そう言って指したのも、やっぱり塔。

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「弑さんそれ何センチヒールですか」
「ん、8cm」
 衣装の丈を直して貰うために、久し振りに履いたヒール。
 それにソーセイは溜息を一つ。
「良く歩けますね」
「慣れやなぁ、履いてみるか?」
「……生まれたての小鹿になります」
 真顔でそんなことを言うものだから、思わず笑ってしまった。

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 綺麗な声も低い声も出せません。
 俺一人では歌えません。
 でも、何度諭されてもそれを手放せなくて、気違い、気狂いと言われたのも知っています。
 でも――歌い続けて歌い続けて、辿りついた今が酷く、本当に酷く幸せなのです。
 だからねぇ、かみさま、
「まだ、歌えますように」
 出来るだけ、長く

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「……可愛い女の子が咲いてるならまだしも、野郎ってえげつない」
「馬鹿お前、麺コ咲かないでどうすんだよ」
「咲き禁のバンドは」
「拳ですが何か」
「……だからってDVDに咲くのやめない? 唯」
「お前それウチの姉貴共に言ってみろよ」
「……あ、うん、ごめん……」

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『さぁ神様を殺しに行こう』
 そんな歌詞を、澪は笑顔で歌う。
 この子供が書く歌詞はたまにぞくりとする。
「『砂糖菓子の弾丸で』、ね」
「しーさんも歌う?」
「や、歌わんけど」
 殺せるん? そう問えば、澪はだって、と子供みたいに笑う。
「いないものを殺すならそれで十分だよ、しーさん」

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 ねぇちゃんは俺なんかよりいっぱいいっぱい物を知ってる。
 でも、「必要ないでしょう」当たり前のように、ねぇちゃんは言う。
 「喉壊す方が嫌でしょう」って。そう言って笑うねぇちゃんにだけは。
「……そうだね」
俺は心の底から、うんとは言えない。

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「しーさん」
 蜜にしては沈んだ声。
 どうした、と問えば言いにくそうに。
「……2m」
「は?」
「トトロって2mらしいんです。こないだ知って」
 意味が掴めず聞き返せば、溜息混じりの返答。
「15cmしか違わない……」
 酷く残念そうなその呟きに、一体どう返せというのか。

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「一番早く童貞捨てたお前に言われたくない」
 笑う幼なじみに、背筋が冷えた。
「唯、俺、言ったっけ」
「昔聞いた。すっげー酔った時」お
 前言いたがらないよな。笑い声。瞼に浮かぶ黒と赤。
「だってしーさんに怒られるから」
 まっとうなあの人は、きっと怒るから。

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 警戒心を持て、と。
 しーさんは何度も繰り返すけど、そんなしーさんが一番過保護だ。
 ぼんやり、抱きついてきた黒髪を撫でながら思う。
「ねぇ、ねぇちゃん」
 んー、と、多分、半分寝かけた返事。
「これ俺弟じゃなかったら食われてるからね。分かってるの?」
 返ってくる笑い声は、分かってない。

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 箱庭の片隅で貴女がようやく笑った日のことをまだ覚えています。
 箱庭の片隅から今まで貴女の音がどう変化したかを覚えています。
 貴女に負担を掛けている事も、歪んでいることも、知っています。
 それでも俺は、まだ。
「ねぇ、俺を、歌わせて?」
 貴女を手放せないのです。

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「津島って」
 20cmは高い場所にある顔を見上げて訊ねる。
「名字呼び、嫌い?」
 ぴくりと動いた眉が何よりの答え。時折彼は全部を憎んでいるような顔をする。
「したらさ、満幸って呼んでいい」
「え」
「俺も伶一でいいよ」
「……れーち?」
「そ」
「れーち」
 子供みたいに呼ばれる名前はまるで、

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 澪は歌えれば、蜜はドラムが叩ければ、そうしてこの阿呆はギターが弾ければ。
 きっと、ヴィジュアル系でなくても良かったのだ。
 多分、きっかけは、十中八九俺。
 だから、
「双子なら」
泣き腫らした目と掠れた声。
「一卵性だったら良かったのに」
 珍しく零した弱音に、俺は何も言うことはできない。

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「……唯」
「なに、しーさん」
「蜜死んどるぞ」
 視線の先を追えば、床に倒れこんだ長身。
 赤と黒の頭はぴくりとも動かない。「毎年じゃん。みっちゃん暑いの駄目なんだし」
「まだ慣れんの」
 怪訝そうな声に、思わず笑ってしまう。
「じゃあしーさんは、四年で雪国に慣れれる?」
「無理やな」
「でしょう」

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「ねぇ社長、昔のしーさんってどんなカンジ?」
「どんな、って?」
「……性格?」
そうだね、と社長は口元に手を当てる。
「澪君と、あと唯ちゃんと蜜君の悪いトコ足して三を掛けたくらいやな」
 少しだけ関西弁の混じった回答は、見事な笑顔と一緒に返ってきた。
 ……割るんじゃ、ないんだ

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「アンタ、ウチに来てからそういうのやんないよね」
「……どういう」
「具体的にはベロチ」
「……唯さんもうええわ」
 溜息を吐けば、唯は喉で笑う。一頻り笑って、投げられた「なんで」。
「サポートやったからな、最初」
「しないの」
「被害者確実に唯さんですけど」
「うわ、やだ」
 爆笑、と言った形容詞がぴったりの態で笑うリーダーに、思わず溜息が出る。
「そういう自分等かてせぇへんやん」
「まだ幼馴染の時期のが長いからね」
「それと同じや」
「へー」
 大人になったじゃん、という声に三度溜息。
「誰から聞いた、ソレ」
「主に社長」
「……流石にガキにはせぇへんわ」

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「――ねぇちゃんが怖い?」
 俺が怖い?
 訊ねれば、高い所で丸くなる双眸。
「俺は元々壊れてるから、全然、平気だけど」
 ねぇ、みっちゃん。
 跳ねた肩に、あぁ、と思う。
「怖いならみっちゃんはまだマトモだってことだよ?」
 だから、こっちに来ちゃ駄目だよ。
 白銀の中そう謳えば、整った顔が綺麗に歪んだ。

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 てっきりしーさんの所に転がり込んでると思ったら。
 届いたメールに溜息を一つ。
 どうやら幼なじみのボーカリストは、今年は知り合いを頼ったらしい。
「……まぁ、凹むよりは良いけど」
 秘密というにはなおざりすぎる家出に、もう一度溜息。
 迷惑を掛けてないといいのだが。

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 強い日差し。濃くなった影。煩いくらいの蝉の声。
 浮かぶ吐き気を抑えながら、携帯を取り出す。
『家出なう』
 それだけを書いて送ったメールに、相手は何て返すのだろう。
 見上げた先には夏の空。一年に一度――ねぇちゃんの顔を見れない日。
 嗚呼、蝉の声が煩くて
【耳の奥がしびれる。】

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 ふわふわのスカートと赤いルージュ。
 同じ顔、でもきっとあの人にはもっと似合う。
 ホントはもっと明るい色も似合うのに、あの人は黒ばかり選ぶから。
「ねぇしーさん、似合う?」
「おー」
 頭を撫でられるのも褒められるのも嬉しい。
 だって同じ顔なら、それはあの人にだって言えるでしょう?
【身代り人形】

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 同じ様にしたら分かるのかもしれないけど、でも結局皮膚一枚分しか。
 左手首に薄く滲む赤がじりじり痛む。
 ねぇちゃんの中で、俺が理解できない部分の一つ。
「……痛」
 赤が腕を伝う程じゃないのに、痛くてたまらない。
 その理由でやるなと、しーさんの言葉を今更思い出す。痛い、痛い、
「ごめんなさい」

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 本質は同じものなのだろう。
 時折酷く塞ぎこむ澪を見ると、そう思う。
 煙草の匂いの染み付いたベッドで、隅の方で膝を抱えたままぴくりともしない。
「どしたん」
「……なんでもない」
「さよか」
 頭を撫でれば、びくりと肩が跳ねた。
 そのまま服の裾を細い指が掴む。
 あぁ、でもまだ自分から手を伸ばす分

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 ハルシオン、デパス、ベゲタミン。
 薬の名前と効能にも、大分詳しくなった。
「『百錠飲んだって死にません』」
 それが口癖の相方は人形みたいにベッドに沈んでいる。
 寝たくないと泣き叫ぶ口に、無理矢理突っ込んだ錠剤は漸く溶けた。
「……死ぬわ、阿呆」
 吐いた溜息は煙草より苦い。
【昏昏ベゲタミンA】

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 胃の中がひっくり返りそうな感覚。
 世界が回って、立てない。眠れなくて拝借したのはたった1錠。
 そんなに強くないから、と笑ったねぇちゃんはこれよりも強いのを飲んでいる――規定量、以上。
「う、げ……」
 気持ち悪くて世界が歪む。
 ……ねぇ、どうしてこんなこと繰り返すの。
【レンドルミンを1錠】
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