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走り書き。


「口開けろ」
「……や、れす」

40切って、周りにバレてるのにも関わらずしらを切る場合
キレたおとんが容赦なく強制給餌しそうだな、と。
皿に量持ったり肉類鼻先に突きつけるのはまだ優しい方です(←

続きにつらつらと。

 要りませんと呟いた口に、親指を突っ込む。無理矢理開かせた口に匙を突っ込んで、掌で覆う。
 押し返そうとした手首は、簡単に握り込める細さ。
 暴れる体を押さえ込むのに、大した労力は要らなかった。
「んーっ!」
 掌越しに、子供みたいに首を横に振ろうとしているのが分かる。
 本人は必死なのだろう、けれども、簡単に押さえ込めてしまう程度には。
「ソーセイ、飲み込め」
 嘔吐くのも分かったから鼻を摘めば、苦しそうな声があがる。
 ……そんなんで誰が飲むか。
 タッパある癖にガキみたいな体重しかなくて。
 ふらふらしながら平気だとか笑って。
 ぶっ倒れても尚、「要らない」だなんてのたまう、
「ソーセイ」
 ――馬鹿な相方の要求なんて。
「飲み込まんかい」
 怯えたように肩が跳ねて、その拍子にこくりと、ようやく喉が上下に動いた。
 少ししてから手を離せば、盛大に噎せ込む細い体。
 細いのは、元からやと思っていた。
 けど、本当は単純に食わんからで。
『だって、言えないよ、しーさん』
 抱き上げた体は、生きてるのが信じられないくらいに軽かった。
 病院に運ばれて、入院しろと言われる程度には危険な重さ。
『俺は、俺からは、言えないよ……あれでも食べるようになったんだもん。それに、』
 どうして放って置いたと詰め寄れば、泣きそうな顔で双子の片割れが笑った。
『半分くらいは、俺が原因、だから』
 馬鹿だ、と思ったのを覚えている。
 それがなんだ。それがどうした。
 だからって――放っておく馬鹿が居るか。
「二択やソーセイ。自分で食うか、これ食いきるまで俺に食わされるか」
 やだと、駄々を捏ねる子供みたいに振られる首。
 肩越しに振り返った目には涙が滲んでいた、けど。
「入院したくない、って言うたんやったら食え」
 死ぬ気じゃないと、笑ったくせに。
 ソーセイが死ぬのが、もっと嫌やと泣いたくせに。
 ……馬鹿しかおらんのか、このバンドには。
「自分で食わんのなら、俺が食わす」
「……や、だ……いら、ないっ……」
「まだ言うか」
 細い体を反転させて、胸倉を掴み上げる。ひゅう、と飲まれた息。
「食わんならライブに出さん。唯にもそういう話をしとる」
「……や」
 きゅう、と細くなった瞳孔。
 ぼろぼろ零れる涙に、いつかを思い出して心臓が跳ねた、けど。
「なら、食え」
 ……すぐそこまで迫ってる境界の方が最悪やから。
「気持ち悪くてもなんでも食って、体重増やせ」
 ずきりと痛んだ心臓には、気付かなかった、ことにした。

++++++++++++++++++
おとんが本気でキレたちょっと昔の話。
流石に懲りて、三食十秒チャージ摂取する程度には上手も反省したけど
おとん的には未だ「飯食べる」ではない、という。
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